福原 到さん

令和３年、桜が咲く季節。丸駒の温泉へと訪れました。
雲が垂れ込め、支笏湖の遊覧船に乗るも、とても寒く、湖面は荒れ、樽前山も風不死岳も恵庭岳も見えず、ただ船に酔うだけでした。
翌日、丸駒から車を走らせると、支笏湖に山々や雲が映り、過去に見たこともない風景が広がっていました。
それは神秘的ですらありました。
静かに湖面に向かい、釣り糸を垂れる人。お声掛けをしましたが、少し振り向いてうなづくだけでした。
支笏湖は大海のごとく、荒れる日も、静寂な日もありことを、私は知ったのです。
この世を生きることは辛いことも多々あるけれども、私たちは自然の中で生活し、自然に見守られている。
この写真は、それをただただ教えてくれているのです。